東京俯瞰

貧困と格差をなくす


コロナ禍の年末年始に都内で「年越し大人食堂」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、仕事や家を失う人が急増する中、東京都内では、年末年始も休まず相談窓口を開設する自治体も出てきている。しかし、公的支援が限られている中、食事にも窮する生活困窮者に食事と相談の場を作ろうと市民団体が「大人食堂」を準備中だ。

プロジェクトの名前はその名も「年越し大人食堂2021」。生活困窮者支援に取り組んできた約40の市民団体でつくる「新型コロナ災害緊急アクション」を中心に、一般社団法人つくろい東京ファンド、認定NPO法人ビックイシュー基金、NPO法人POSSE、反貧困ネットワークが協力し、年末年始に東京都内で緊急の食料配布や生活相談を行う。12月21日に記者会見を行った。

記者会見
12月21日 新型コロナ緊急アクション 記者会見

新型コロナ災害緊急アクションでは、2020年3月に「緊急ささえあい基金」を開設。「所持金が1000円を切った」など訴える路上のSOSを受けて相談者のもとに向かい、緊急の生活費と宿泊費を給付してきた。その金額はすでに5000万円を超えた。

また生活保護の申請に同行したり、住宅入居につなげるなどの直接支援は、「緊急ささえあい基金」だけで257件、他団体と連携したケースも含めると1421件にのぼる。

「大学生たちが、学費を払えないどころかアパートの家賃なども払えないという案件が急増しています。現状でも所持金は1000円をきったような人が多く、年越し派遣村(2008年末)のときには見られなかった20代、30代が非常に増えています。全体の8割以上が20代から40代の方です。女性の相談も増えており、8割以上が10代、20代です」。(新型コロナ災害緊急アクション 瀬戸大作さん)

女性で多いのは、家族との関係が悪化し家から出ざるを得ない例や、非正規雇用であったために職や収入を失ってしまい、生活に困窮するケース。また、在日外国人からも支援を求める声が急増している。目立つのは、コロナによって「仮放免」となり、入国管理センターから身柄の拘束を解かれたものの、公的支援も受けらず、就労も許可されないケース。生活に困っても、音声通話可能な携帯電話を持っていないため、支援情報を収集したり、助けを求めることも難しいという。

このほか、給与が減ったり、職を失うなどして、家のローンを支払えず、家を失う人も増加する中に、これまでは貧困とは無縁だと思っていたような層が、貧困状態に陥っているのも、今回のコロナ禍の特徴だ。

「自分がまさか支援を受けると思わなかったという人が多く、突然、仕事や住まいを失ったことで孤立し精神的にも苦しんでいる。ひとりではないんだよと伝えたい」(つくろい東京ファンド代表 稲葉剛さん)

緊急相談会は、12月31日の15時〜18時、東池袋中央公園で開催。生活・労働相談を行う。東京都は今年、年末年始に寝泊りする場所がない人向けにビジネスホテルを用意する計画だが、こうした行政サービスにつなげるほか、150人分の食料やマスクを配布する。

年明けは、1月1日、1月3日の12時〜18時に、JR四谷駅すぐの聖イグナチオ教会で、「年越し大人食堂2021」を開催する。調理を担当するのは前年に引き続き、料理家で、ビッグイシュー基金共同代表の枝元なほみさん。新型コロナの影響を鑑みて、調理された料理をパックに入れて配布する。200食を準備しているほか、食料品や衣料品なども配布し、公的支援相談なども受け付ける。

「相談を受けていると、春ごろには聞かれなかった、直接的に自殺につながるような言葉が聞かれるようになり、状況が深刻化していると感じます。それでも大人食堂には、この状況を生き残るための情報があります。見に来るだけでもいいから来てほしい」(反貧困ネットワーク 雨宮処凛さん)

新型コロナ災害緊急アクションの支援活動のベースとなる「緊急ささえあい基金」では支援を継続的に募集中。新たにクラウドファンディング「コロナ禍の年末年始、住まいを失う方にあたたかな居所と支援の手を届けたい!」もスタートしている。

12月21日「年越し大人食堂2021」記者会見の様子 UPLAN

新型コロナ災害緊急アクション
corona-kinkyu-action.com

by covot編集部

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